最近体調が不良でしばらく聞き逃していたが、今夜の「
趣味悠々・国分弘子さんのジャズ入門」は絶妙だった。
何しろ今夜のテーマは『合い言葉はブルーノート・ブルースをかっこよく』だという。
B♭の音楽を多様しながら、その中の第三音と第五音。そして第七音を半音ふらっとさせることで、ジャズらしくブルースらしくするという。
ためしにと「ルパン三世」を弾いて見えていたが、あの旋律の中で半音下がるところが妙技だし、念のためにと半音下げずに弾いて見せたらあれは単なる唱歌になっしまう。
また生徒の諸君にもまったくない。実に半音下げた黒鍵を楽しく弾いて愉快な時間を過ごしていた。
それを聴いていてふと思った。この番組は平均率を使う楽器であるピアノだから、フラットする音程は単純に半音だ。ところが弦楽器の多くや管楽器などではもっともっと微妙な音のフラットができるし、それらがない交ぜになってジャズという世界が開く。またピアノの世界には「グリッサンド」なども存在しない、擬似的に半分叩いたフリをして微妙な音程の変化を愉しんでいるだけだ。
まさかこの番組でそこまで触れることは困難だとは思うが、たとえばヴァイオリンのジャズの世界とか管楽器(特にバルブを持たないトロンボーンなど)の世界にも、時間の余裕あえあれば愉しんでみたい。
レコードでもよいからステファングラアッペリさんの至芸にも接して見たいものだ。